人は望んだとおりにならなかった時に、
「失敗した」と思いますよね。
愛情関係であれば、その関係を結んだ時の理由で関係を続けられなくなった時、関係はゆがんできます。
そしてこの恋愛は、結婚は失敗だった・・と思ってしまう。
「この人と出会えて私の人生はバラ色になった」
「こんなに優しい人はいない」
「私にたくさん与えてくれる」
このように、相手を好きになるキッカケは、何が得られると考え関係を結んでいるものです。
そして、
相手があなたの思いにどこまで応えてくれるか、
自分が相手の思いにどこまで応えられるか、
が重要だと思い込んでしまうんですね。
相手はあなたを失望させたくないあまりに、
本当の自分らしくない努力をし続け、
そして、だんだん耐えられなくなり、
本当の自分らしく振るまうようになっていきます。
自分を取り戻したくなるのです。
そしてあなたは「彼は(彼女は)すっかり変わってしまった」と思う。
関係が苦しくなる理由の大半は、お互いが自分を失ってしまうことにあります。
愛する人が現われて、自分が満たせれていると感じる。
このことは素敵なことですが、
真の人間関係は、本当の自分という存在をまるごと分かち合うことです。
無意識のうちに自分で自分を満たすことをないがしろにして、
相手に満たしてもらうことに執着する結果、
他者がいなければ自分の存在がないと思い込んでしまう、
「愛されていなければ自分には価値がない」
これこそ苛立ちのたねなのです。
自分を満たしてくれないと感じれば、恨みや怒りが湧き起こることもあるでしょう。
相手の期待に応えるため、夢をあきらめ、そこそこの幸せにしがみつく選択で、犠牲者意識がめばえ自分の人生に期待が持てなくなってくるでしょう。
相手からの愛情をとおして、自分への愛情を求めることは、
猜疑心を生み、不安を生み、そして自分を失っていきます。
自分が幸せになることも、相手を幸せにすることもできません。
真の人間関係は、相手にばかり気を向けることではなく、
関係のなかで自分は何者かを明らかにすることです。
相手の真の価値を理解するには、まず自分の価値を明らかにしなければなりません。
自分は何を求め、なぜそう望むのか?
相手は何を求め、なぜそう望むのか?
そのことを理解し受け入れることが、
人間関係を素晴らしくしていきます。